生物と無生物のあいだ

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生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

われわれの体がこれほどまで大きい理由というところが、今までの自分の考えにはなくて新鮮だった。


原子は、たえず振動を繰り返すブラウン運動を行っている。したがって、細胞自体も常に振動している。さらに、その振動自体も無秩序に動き、一つ一つの原子を見ると、勝手な動きをしている。


ここで、一つ疑問が浮かんでくる。
細胞の内部は、常に揺れ動いている。それにもかかわらず、生命は秩序を構築しているのはなぜか?


ここに、われわれの体が原子の大きさに比べて、これほどまでに大きくならなければいけない理由がある。


一つ一つの原子でも、膨大な数が一緒になって行動する場合初めて、その平均的なふるまいとして顕在化する。つまり、秩序の精度をあげるためにも生物は大きい必要がある。